年初の挨拶をして、ブログを更新していなかった。
別にネタがなかったわけではない。
忙しかったので、なかなか手が出せなかっただけ。
既に2月も半ばになったので、仕事がらみのネタで久しぶりに更新してみることにした。
私の会社は、四半期ごとに実績の確認を兼ねて上司との面談がある。
私は九州地区の営業マネージャーで、私の上司はそういった各地のマネージャーを統括している。
日本式の役職で言うなら「営業本部長」とか「統括部長」ということになる。
先日、この統括部長の面接を受けた。
彼は、朝一で広島駅で中国地区のマネージャーと面談をし、新幹線で博多駅に移動。
私の面談は、博多駅ビルのとあるカフェで行われた。
第3四半期の予算は達成していたので、数字に関する話は1分で済んだ。
時間がかかったのが、営業エリア(テリトリー)の件だ。
実は私のエリアで4月から営業が1人増員となる。
人が増えた分、九州地区が少し手狭になったなぁ、と内心思っていた。
偶然にも、私の前に面接した中国地区のマネージャーが、彼の担当する四国を統括部長に手放したい、と申し入れていたようだ。
「人も一人増えることだし、君のところで四国も担当する?予算はその分増えるけど...」
と統括部長が言い出した。
「喜んで引き受けます。」と即答。
「分かった、次年度はその方向で予算なども検討する。」
そう言って、統括部長は大阪に向かう新幹線に乗った。
これから、関西地区のマネージャーと面接があるらしい。
その翌日、佐賀県を営業車で走っていると、統括部長から携帯に電話が入った。
統括部長:「昨日、関西の○○君と面談したんだけど、四国を欲しいといっている。」
私:「そうですか...。でも人が増えるわけでも無いのに担当エリアだけが広がれば、全体的に営業が手薄になりませんか?」
統括部長:「私もそういったんだけど、今の担当エリアでは数字が厳しいらしい。」
私:「今のエリアで稼げないから四国を欲しいとは、私には理解できません。四国を担当エリアにするとその分予算も増えるのを彼は分かっているんでしょうか?」
統括部長:「それも言ったんだけど、頑張る、と言っている。本人が頑張るといっている以上、いいんじゃないかな、と思うんだが...。」
私:「そうですか、部長の職責の範囲内なので部長が決めてください。私の口出しできることではありませんので。」
統括部長:「分かった、四国は関西地区で兼任する方向で考えることにする。」
そして先週の金曜日、統括部長からまた携帯に電話が入った。
統括部長:「もう2月中旬だし、そろそろ来期の予算を検討する必要があるので、先日言った四国の件、関西にくっつける方向でボス(日本のトップ)に報告するけど、いいな!」
私:「どうぞ。私の職責ではありませんので。先日も申し上げたとおり部長の判断で報告してください。」
統括部長:「君も賛成したじゃないか。」
私:「エリアの振り分けは私には権限も責任もありませんので、部長が決めてください、と申し上げているだけで、賛成とか反対とか言える立場ではありません。」
統括部長:「腹の中で反対と思っているならそう言ってくれ。後で揉めたくないんでな。」
私:「本人が頑張るといっているから、と言って四国を関西にくっつけようと思っていると仰ったのは部長です。私はその判断を尊重しただけです。これで関西の実績が悪くなっても、九州地区担当の私には何の責任もありません。部長の判断で決めたことですから、部長の責任で実行してください。」
統括部長:「なんか言い方が冷たいな。本音で話してくれないか。」
私:「冷たく言っているつもりは無いですよ。常識で考えると、エリアが増える=ノルマも増えるとなるはずです。今のノルマで苦しんでいる人が、増えたノルマを達成できるか疑わしいと申し上げているだけです。そして、結果達成できない場合に責任を問われるのは、関西地区のマネージャー本人だけじゃなく部長も問われますよ、と言っているだけです。」
私は少し笑いながら言った。
統括部長:「君の言いたいことは分かった。もう一度考えてみる。」
そういって電話を切った。
営業を長年やっている人は分かると思うが、数字の苦しいときに出てくる「頑張る」という言葉ほど当てにはならない。
これは部下を持つ営業管理職の常識である。
その「頑張る」を鵜呑みにしてエリアを決めようとするとは何たる安直な考えだろう。
統括部長と言えど人間、たまには間違った判断をするかも知れないが、これが続くようだと先行きが心配だ。
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