配偶者控除の見直しにつて新聞やテレビで見聞きする事が増えた。
見直しの理由は、年収103万円の壁があるからだそうだ。
ここでは細かく書かないが、103万円は下記の計算に基づいている。
*所得控除65万円+配偶者控除38万円=103万円
この103万円の壁が女性の就労意欲の妨げになっているらしい。
はたしてそうだろうか?
私は、女性でそこそこの年収がある人をたくさん知っている。
もちろん、結婚もしていて、彼女の夫たちもそこそこの収入を得ている。
中には、夫婦合わせると1800万程度の収入がある人もいる。
先日、その夫が「BMWの新車を買った」とはしゃいでいた。
妻である彼女は、最初から103万円の壁など気にしていない。
彼女の夫も同じだろう。
夫婦それぞれやりたい仕事があって、それをライフスタイルとしているだけだ。
逆に夫の収入では生活が厳しいので、家計の足しになるようにパートに出る主婦もいる。
こういう家庭の多くが手のかかる年齢のお子さんをお持ちだ。
このご夫婦から配偶者控除の38万円をなくしてみよう。
そうなると、103万円の壁は65万円の壁に変わってしまう。
夫の年収が400万円だとしよう。
妻の収入103万+夫の収入400万=家庭の収入503万円
これが、65万+400万=465万円になってしまう。
465÷503=92.4%
つまり、収入が8%近くも目減りすることになる。
じゃぁ、その目減り分を補うために妻がパートの時間を増やすとする。
そうなると、下に書いた弊害がでてくる可能性がある。
・子供の面倒を見る時間が削られる
・年金保険や社会保険を払わないといけなくなる。(支出が増える)
・子供を保育園に預けるにしても、そのお金が必要になる。(更なる出費)
・そして、さらにパート時間を延ばさざるを得なくなる。
こんな事を考えていると、私にはこの見直しの理由が理解できない。
ただのサラリーマンイジメにしか思えない。
給与からの控除の趣旨は、手助けになるように、という思いやりだと思う。
配偶者控除しかり、高齢者扶養控除しかり、障害者扶養控除しかり。
屁理屈をこねて見直しをしようとしても、結局は取り易いところから獲るだけの愚策。
消費税を8%にし、10%も視野に入れながら、更なる増税を狙っている。
増えた分は誰の懐にはいるんでしょう。