2012年12月8日土曜日

医療機器業界の裏話

昨日、医療機器のメーカーに勤める友人と久しぶりに飲みに行った。

彼が友人を1人連れてきたので、男3人で飲む事になった。

連れてきた友人も、歯科系の医療機器業界の仕事をしていると言っていた。

酒が進むと、自然と医療業界の愚痴になってきた。

業界が違い、私にとっては未知の世界なので興味深く聞いていた。

印象に残っている事を少し書いておく。


1.医療機器の点検費用は、タダだと思っている医療機関が多い。

一度買ったら、一生タダで面倒見てもらえると思っている医療機関が多いらしい。

まぁ、タダでないにしろ、「点検は○○円でしろ!」と、値段を勝手に決める病院関係者も多いらしい。

こういった病院は、車を買ったら車検はタダだと思っているのだろうか。

一般人から考えると、異常な世界だ。


2.買ったけど、使わなかったので返す!

医療機器の消耗品で、使用期限のあるものがあるらしい。

その日までに使わなかった場合、ゴミになる。

食品で言う「消費期限」のようなものだそうだ。

そういった消耗品を医療機関が買って、結局使わなかったとする。

そうすると「使わなかったので返すから、お金を返して」と平気で行ってくるらしい。

これじゃ、医療機器のメーカーは経営が成り立たない。

100個売って99個返されたら、99個の製造原価は赤字になる。

でも、医療機関の中には、そんなこと関係ないと思っている人が多いらしい。

そういう人は、近所のスーパーでも、同じことが言えるのだろうか?

「あまったから、消費期限は過ぎてるけど、返す!」

たぶん、誰からも相手にされないと思う。


3.毎年、説明会を開催しろ!

友人は、福岡市内に住んでいる。

彼はメーカーの人間なので、代理店経由で医療機器を売ることも多いらしい。

その代理店が無能だと、何かにつけて呼びつけられるとぼやいていた。

数年前に20万円程度の機械を、ある代理店が鹿児島の開業医に売ったらしい。

そして、そのクリニックから、機器の使用法について勉強会をしてくれと言って来るらしい。

「メーカーなんだから、何かのついでに行って対応したら?」と私は簡単に言った。

すると、「一度行くと、毎年呼ばれる。交通費も1万円近くかかるが、そのクリニックはタダで当たり前だとしか思っていないから、感謝の気持ちも無い。」

「代理店の担当者が、文字通り代理してくれなのか?」と聞いてみた。

「そんな優秀な人間は一握りしかいない。多くは伝言板の役割しか出来ない。」らしい。

スーツを着込んで、病院の中を颯爽と歩いていても仕事が出来るのは一握りだそうだ。

医療機器業界、恐るべし。


4.イベントに参加しろ。

近隣の企業や団体に救急処置の出張講習会を行う事を、ある医療機関が企画したらしい。

2~3週間、ほぼ毎日、朝の9時から1時間程度、実施する、という内容だったそうだ。

そして、その医療機関に出入りしているメーカーや代理店に、講習会で使う機材を無償で提供するよう要望し、さらに毎回立ち会うように要求してきたそうだ。

友達が言うには、朝の9時に参加しようと思ったら毎朝5時に家を出ないと間に合わないので断ったとの事。

そうすると、医療機関の担当者から呼び出されたそうだ。

その担当者と初対面な彼は、丁寧に挨拶をし名刺を差し出したらしいが、片手で受け取ってデスクの上にポイッと投げ捨て、開口一番「俺は怒っているんだぞ!」と言ったらしい。

その担当者、どう見ても彼が言うには「俺より10歳以上は若かった。」そうだ。

初対面の年上に向かって、挨拶もせずなんて言い草だ!と私も思う。

その担当者、明らかに“協力を頼んでいる”のでは無く、“命令している”つもりだったんだと思う。

若いうちからそんなんじゃ、将来はどうなることやら....。


他にも沢山の愚痴を聞いたが、総じて考えるに、どうも医療業界には仕事によって差別意識があるのかもしれない。

特に医療機関の人から見れば、医療機器のメーカーや代理店はかなり川下の人間と思っているようだ。

何にせよ、人格という面から見ると、問題のある医療機関の人のほうが、かなり川下にいる事は確かなようだ。


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